北見ハッカと心理ゲームのちょっぴりマニアックな世界・・・

 ★Web Magazine (March '24)

 
※iPhoneをお使いの方は横置きでご覧ください。

 ようこそ


【CONTENTS
[1] 活動報告
[2] 主な購入品等
[3] 活動の成果と今後の予定
[4] おわりに
 
 みなさんこんにちは。いよいよクラウドファンディング研究の第一歩。Webマガジンの発行となりました。
 まだまだ未熟なマガジンですが、お気軽にお読みいただけると幸いです。

[1] 活動報告

今回の『北見薄荷ブックレット』製作までの足取りを、まずご紹介します。
 
 本プロジェクトは東海大学所属の和泉光則(生物学部、教授)個人の発案に基づき、和泉一人で計画しました。そのきっかけは東海大学総合研究機構の2023年度クラウドファンディング型社会発信研究補助計画の学内公募でした。この「社会発信」は、研究の透明化=大学所属研究者の研究を学外に幅広く知っていただくという意味合いなのですが、私の北見薄荷化学実験テーマは、単に研究の公開という意味合い以上の、「北見薄荷の素晴らしさを伝える」活動になると思いまして、応募を決めました。すなわち研究自体が社会発信となると。ここ数年間、北見薄荷を伝える方々の生き生きとした声をなんとか形に残せないかと考えていたので、その想いの実現に最適な研究費補助計画と確信しました。
 2022年秋に計画を立て、応募しましたがそのときの研究費総額は90万円(最終的にはそこから手数料を差し引いた額)で、この社会発信型研究助成では、その半額である45万円をクラウドファンディング(CF)で調達しなさいというノルマが課されます。その後12月に一次採択通知が来まして、そこから今度はacademist社の担当の方のご指導の下、CF募集ページの作製などが進み、2023年2月16日にCF募集開始。3月30日まで1ヵ月半のCF支援募集期間が始まりました。3月28日、目標を達成し、3月30日に終了。最終支援金額は468,000円となりました。その結果をもとに総合研究機構で審査を行い、二次採択(最終的な許可)となりました。
 さてその金額ですが、一般のCFとは異なり、CF成立すると残りの45万円が総合研究機構から支給される形となり、CF手数料を差し引いた金額「90万円-手数料」という金額が研究資金となりました。皆様からご支援頂いたCF支援金はいったん東海大学へ入り、東海大学の管理の下で執行することになります。そのため一般的なCFとは違い、予算の使途にある程度の制約がつきましたが(謝礼は大学規定に従って支払う、手土産などの経費は支出できない、など)、予算管理と事務手続き等を大学事務で行っていただけるのと、その執行が適正かどうかの審査も東海大学として厳密に見てくれるという点でとても助かっています。皆様におかれましても、私の経費執行につきましては東海大学が厳密に審査しており、また事後審査結果にて代えさせて頂きますことご了承ください。
 その後、聞き取り対象候補者のみなさまに研究開始のご報告をし、口頭で内諾をいただいた後、最終的な計画書を書き、5月に許可が下りました。そこでさっそく北見へ赴きまして、対象者の方々に直接研究内容等について説明し、最終承諾をいただきました。
 その後待ち受けていたのは『人を対象とする研究倫理審査』でした。一般的な取材とは異なり、研究補助計画のため、研究計画に基づいて東海大学学長室による倫理審査が行われます。その手続きが終了したのが9月で、聞き取りは11月に行うことにしました。聞き取りはほぼ順調に進み、現地でお会いできない方からは12月初めに札幌にお越しの際にお会いして聞き取りを行いました。
 秋からブックレットの原稿を書き始めていたのですが、聞き取り終了後直ちに録音音声をテキストに書き起こし(文字数10万字を超えました)、その中からブックレットに記載する部分を抜き出す形で原稿作成を進め、年内にほぼ終わりまして、2024年1月中旬に聞き取り対象者の方々へ原稿を送付、2月初めに最後の北見訪問を行ってご意見を伺い、その後原稿を修正等し、2月終わり頃にネット印刷会社“プリントモール”へ注文して3月2日に最終的にブックレット550部が大学に届きました。

年間計画が滞りなく進み、薄荷を伝える人たちの想いを教材ブックレットに書き残す試みは、和泉として100%目的を達成できたと思っております。本当にありがとうございました。
 

[2] 主な購入品等

 通常のCFのように使途を普通に明かせたら良いのですが、東海大学の助成制度のため、主な支出を示すに留めたいと思います。支出はGoPro購入の他、旅費、謝金、印刷製本代が主な支出となりました。
 
【物品】 GoPro Hero11をまずは購入しました。申請時点では9万円近くしたのですが購入直前に値下がりし、6万円台で入手することが出来ました。GoProではバッテリーチャージャーなど付随する物品も購入しています。その他大きかったのはSDカード、そしてUSBメモリ。USBメモリは暗号化できるものを使用して個人情報を守る必要があり、これを鍵付きのキャビネットで6年間保管した後、全てのデータを消去することになります。
【書籍】 ネット古書店で念願の『薄荷懐古座談会』を探し当てたのが一番のヒットでした。その他北見薄荷の歴史関係、TRPイオンチャネルの専門書(洋書1万2千円)も買うことが出来て助かりました。
【謝金】 今回の聞き取りでは各対象者へ東海大学の規定に基づいて合計2万円の謝礼を支払っています。取材結果の書籍化として妥当と判断しています。
【旅費】 北見出張が3回、千葉出張が1回。できるだけ早期に予約して旅費を抑えました。日本化学会春季年会のため船橋へ出張したときには3泊4日で航空券と宿泊のパックで6万円超。北見出張ではJRとホテルのパックで3万円台~4万円台。北見ではレンタカーを借りたため賃借料(2万円台×3回)も計上しています。
【印刷】 デザイナーの宇都様は私が化学実験を担当した卒業生で、私の考えを汲み取って綺麗なイラストを税込5万円以内で作ってくれました。ネット印刷ではプリントモールでテンプレートを使用して手際よく原稿を書き、本来600部と思っていたところ予算残額の問題で550部(8万円台)印刷しました。
【その他】 その他の出費としては北見訪問の際に用意した手土産などは助成金からの支出は認められないため、私費で賄ったものも少しあります。
 支出の詳細は4月に東海大学総合研究機構に提出し、事後の審査が行われ、適正であることが確認されましたら、その旨ご報告させていただきます。

[3] 活動の成果と今後の予定

ここでは薄荷関連の資料の紹介。主にネットで入手できる情報をご紹介したいと思います。
 
 9名の方々から直接聞き取りをすることができ、私の一つの夢が実現しました。人の想いは、科学的な意味では「エビデンスのない空想」のようなものと扱われがちで、文献の中でも副次的にしか扱われないことが多いと思いますが、だからこそ、それをメインとした文献を遺すことがなおさら重要であろうというのが私の考えで、それを今回、皆様と共有できたことがなにより嬉しいです。
 ただちょっと残念だったのは、私の対人関係が、他の人たちにまで広がっていなかったこと。北見市役所や北見ハッカ通商といった、大切なところがまだまだあるのですが、私の力不足を痛感します。またこの試みをたとえば10年前に行っていたら、と思う自分もいたりします。
 でも、いや、だからこそ、今年この文献を作ることができたこと、、、これは本当に歴史的に貴重なものになると私は確信しておりますし、それを可能にして頂いた皆様に心から感謝すると共に、一緒にブックレットを創れたことを誇りに思います。
 そしてこの先ですが、頭の中に別冊の製作構想が湧いてきまして...余裕が出来たら、今回のブックレットより薄い、別冊を作ろうかなとか、思ったりしています。これからも私の思い描く世界のさらなる進化に興味をもって頂けると、とても嬉しいです。
 

[4] おわりに

 そんなごくごく身近なものをただ綴っているだけ、、、和泉の研究はまさに、なんでもないふつうのことをしてるだけ、みたいな感じですが、お読みいただいた方には、「でもなんかちょっと違う、特別な思いを和泉は秘めていそうな、、、」
…Webマガジンの一番最初5月号の【おわりに~次号へ向けて】で、私、こう書いていたんですね。
 特別な思いを秘めている、、、その意味を、北見薄荷を伝える人たちの想いを遺したい私の想いを、皆様で感じて下さったことに心より感謝いたします。
 そして今皆様が感じている、その想い。これは、ブックレットの中にしっかりと刻み込まれていると思います!一緒に研究活動を進めていただいて、本当にありがとうございました!
 

 

※次号は未定ですが、何らかの形で活動を続けるためにいろいろこれから考えていきます!!